2004年04月13日

◆今日の一品◆
H製 聴診器
今日も全タウン再配布のみでしたので、ほのぼのタウンのアイテムから「聴診器」をご紹介します。
聴診器を発明したのは、フランスのラエネック(Laennec)という医師です。それまで医者は、患者の胸に直接耳を当てて心臓の音を聞き、患者の話す症状と合わせて病気を判断していたのですが、ラエネックの発明により、医学の現場は大きく変わることになりました。
1816年、ラエネックは心臓の悪い若い女性の診察をしていました。ところが、若い女性だったため、ラエネックは直接耳を胸に当てることが出来なかったのです。そこで苦肉の策として紙を丸めて筒状にし、片方を自分の耳にあて、もう片方を女性の胸にあてたのです。すると、直接胸に耳を当てている時よりも、心臓の音が良く聞こえました。これが聴診器のはじまりです。
では、なぜラエネックは、紙を筒状にすることを思い付いたので しょうか。伝説が伝えるところによれば、ラエネックは、子供たちが長い木の棒の端に耳を当て、仲間が反対側の木の端をピンでひっかく音を聞いて遊んでいるのを見たことがヒントになったと言われています。ラエネックは聴診器をstethoscope(stethosは胸、scoposは見鏡で、胸部を探る器具の意味)と名づけ、その後、様々な改良が加えられました。まず種々のラッパ状のものが登場し、約100年間広く使われました。今でも産科の胎児心音の聴診器として使われることがあります。
まずラッパ状の聴診器が登場し、1851年、アメリカのリアド(Leard) がラッパ型より使いやすいY型チューブを接続した両耳型聴診器(binauralstethoscope)を発明し、広く普及しました。さらに1894年、アメリカのボウルズ(Bowles)が低域をカットし、中高域の感度を上げた膜型聴診器(diaphragm stethoscope)を発明し、1926年に、やはりアメリカのスプラーグ(Sprague)が、今日の聴診器の原形となる、オープンベルとダイアフラムの両チェストピースを切り替えて使用できる聴診器の聴診器を作りました。
聴診器は、現在も改良や工夫が重ねられ、病状や部位により、様々なタイプのものが使い分けられています。聴診器は今日の医学界においても、患者の病状を的確に把握する客観的な根拠をつかむために欠かせない重要なツールです。ラエネックの発明が、現代の人々の命や健康を守っているのです。