2003年07月16日

◆今日の一品◆
H製 食パン
今日は全タウン再配布のアイテムだけでしたので、既存のアイテムから「食パン」をご紹介します。
食パンの原型は、上部がふっくらした山型のイギリスパン。コロンブスがアメリカ大陸を発見した頃、開拓者のために作られたといわれています。配送手段や分配がまだまだ面倒な時代に、みんなが一度に食べられるようにと、効率性を考えて生まれた形だったのだとか。

日本にイギリスパンが伝来したのは、文明開化の頃。文久2年、イギリス人のロバート・クラーク氏が、海軍の衛兵や居留外国人向けにパンを作り出したのが始まりです。当時の店名は「ヨコハマベーカリー」。現在も横浜・元町で営業を続ける、「ウチキパン」の前身です。しかし当時、日本人にはパンが売れず、お客さんは海軍の駐屯兵がほとんど。まったく商売にならなかったそうです。
それが全国的に広まったきっかけは、小学校の学校給食です。第二次世界大戦に敗戦し、日本はアメリカの占領下に。アメリカから小麦の輸入を開始し、学校給食でパン食および洋食が普及していったのです。いわゆる「角食」と呼ばれる四角いパンができたのも、この頃。機械化工場の発達によって、少人数かつオートマチックに、一度に大量のパンを焼くことが実現したから。焼き型に蓋をすることにより低い熱量でも焼ける角食は、大量生産に適したパンだったのです。
「食パン」という名前の由来ですが、これは「主食用のパン」を略した造語で、日本人が名付けたものです。外国語では「食パン」を意味する言葉はないそうです。