◆今日の一品◆ |
今日は全タウン再配布のアイテムのみでしたので、ペロ市長からのクリスマスプレゼントをご紹介します。 サブの飾りがついたクリスマスのモチーフを使ったモービールです。 モビールの祖先としては、風車・水車・水時計・風見鶏といった動く機具類を考えることができます。しかし、モビールは何らかの機能や実用のために作り出されたのではなく、彫刻の新分野として創案された芸術作品でした。 20世紀になって、キネティック・アートという新しい美術概念が現れました。これは作品に動きを与えることで、空間と時間の双方による表現を目指したものでした。ロシアの彫刻家N・ガボによるモーターを使った彫刻(1910年)は、この分野での最初の作品と言われています。彼は1922年にも、時計のぜんまいで振動するキネティック・スカルプチャーと呼ばれる彫刻を創作しています。 最初のモビールは、こうした流れの中で登場しました。1920年にロシアの画家A・ロドチェンコは、宙吊りにした木を用いて、自然の力で動きうる彫刻を試みました。 モビールは、その誕生の当初より、正真正銘の芸術形式として美術界から認められるとともに、家庭や職場における装飾、商品のディスプレー方法、乳幼児への視覚的刺激として、世間一般にも急速に普及しました。社会の共感を得ることの少ない現代美術の中で、モビールだけがこのような広まりを見せたのは、カルダーが好んだサーカスのような、見世物的な楽しさや曲芸的なスリルがあったからではないでしょうか。 |