2003年04月19日

◆今日の一品◆
R製 テレポートマシン
今日の新アイテムはロケットタウンのテレポートマシンです。
ちょうど今から1年くらい前のことですが、オーストラリアの科学者がテレポート実験に成功したと、6月17日付けで英BBC放送が伝えました。「えっ?! うそ!! マジで?」と思いましたが、実はこのニュース、こういう内容でした。
報道によると、「実験に成功したのはオーストラリア国立大学の科学者。研究所内のある場所から消したレーザー光線を、少し離れた場所に再出現させることに成功したという。これは少なくとも陽子や電子レベルであればテレポーテーションが可能なことを示しているという。」
そうです。ここまで読めば、これが量子暗号に欠かせない「量子テレポーテーション」(Quantum Teleportation)の実証例だということが分かります。量子テレポーテーションでは、Einsteinが「Spooky Interaction」と呼んだ「Quantum Entanglement」(量子の絡み合い)を利用して情報を送ることができます。1990年代に入って具体的に実現性が検討され、90年代後半になってから欧米で実証報告が相次ました。量子テレポーテーションを活用した量子暗号は性質上、第三者が盗聴しようとすると、内容が無意味になる上、盗聴した事実が絶対にバレてしまう“究極の暗号”と言われています。日本では、三菱電機が2000年、北海道大学と共同で国内初の量子暗号通信システム実験に成功しています。
BBCサイトに掲載された解説では、数年以内に原子1個のテレポートには成功するかもしれないということです。ただスタートレックのように人間をテレポートにするには、人体を構成する全原子1つひとつの情報を情報を取得し、各原子を別の場所で人体上の“元の場所”に復元しなければならない。こうした情報を取得・送信するために、現状では「宇宙の年齢(150億年)の1億倍」の時間が必要だという話です。