2003年03月16日

◆今日の一品◆
D製 青いエレガントな帽子
今日も再配布のみでしたので、既存のアイテムからドルフィンタウンの帽子をご紹介します。
今では普通に「帽子」と呼んでいますが、「帽子」の起源は古く、紀元前4千年頃のエジプトでは、王が王冠をかぶり、庶民が頭巾をかぶっていたことが、遺跡調査の結果から分かっています。古代ギリシャ時代に小さなクラウンにブリムのついた帽子「ペタソス」が誕生しました。このぺタソスが帽子のルーツだとするのが一般的です。
日本では平安朝以降の烏帽子(えぼし)や、頭巾(ずきん)などがかぶられていましたが、これを「帽子」と呼ばず、外国から来たかぶりものに限って「帽子」と呼んでいました。
広辞苑によれば帽子とは「頭にかぶって寒暑または塵埃を防ぎ礼容を整えるもの」と、難しい言葉を使って解説しています。
外来のキャップやハットをなぜ「帽子」というようになったのでしょうか。明確な資料はありませんが、僧侶のかぶる一種の頭巾を「帽子」と書いて「もうす」と読ませていました。今昔物語にも「小さき船に乗りたる翁の「帽子=もうす」をきたる」という一文があります。
わが国が西洋の帽子を初めて目にしたのは、安土桃山時代で、フランシスコ・ザビエルが西洋風の烏帽子(えぼし)をかぶって、日本にやってきた時でした。当時は南蛮笠、南蛮頭巾と呼んでいましたが、織田信長がこれに興味を示し、そっくり真似たもの作り、得意になってかぶったこともあり、帽子に対する人々の関心が高まりましました。新しいものが世の中で認識されると、相応しい名前が必要になります。坊さんのかぶりものと区別するために、「もうす」を言葉の響きが新しい「ぼうし」と読み替えたものと推察されます。
「帽」だけでもかぶりものを意味しますが、後に付けられた「子」は一定の物の名に添えて、漢字二字の熟語を作る接尾語です。金子、銀子、扇子、様子のように「す」と読ませる場合と帽子、調子のように「し」と読ませる場合があります。