◆今日の一品◆ |
今日も既存アイテムのみの配布でしたので、その中からドルフィンタウンのチーズを取り上げたいと思います。 古来、日本では牛の乳を利用して人間の食べ物を作るということは行われていませんでした。牛乳の食物としての利用法は530年頃、仏教の伝来と同じ頃に中国あるいは朝鮮半島から伝わり、560年頃来日した中国人医師智聡によって、本格的な飲用が始まりました。「酥(そ)」と言うチーズ様食品も作られるようになり、鎌倉時代が始まるまでの約500年間、貴族階級で食されていました。しかし武家が政治の実権を握り、貴族の力が衰えてくると一般庶民の生活に無縁であったチーズは姿を消しました。 次にチーズが作られたのは江戸時代になってからです。八代将軍徳川吉宗がインド産白牛三頭の乳でチーズを作らせたのです。以後、徳川家ではオランダからの輸入物も含め、チーズが食されていたようですが、やはり一般庶民にとっては見ることも聞くこともない食品でした。 チーズが一般庶民の生活に登場するようになるのは明治以降のことです。明治8年(1875年)、北海道開拓庁七重勧業試験場で練乳とチーズが試作されました。民間では明治33年(1900年)、函館のトラピスト修道院でチーズとバターの製造、販売が行われました。商業規模の製造となると、昭和3年(1928年)、北海道製酪販売組合連合会(雪印乳業の前身)の札幌工場でチーズの試作がされ、翌4年(1929年)、ブリックタイプとスプレッドタイプのチーズが販売されたのが始まりです。 |