◆今日の一品◆ |
油絵具は、主に顔料とそれを定着させる油(乾性油)などを練り合わせて作られた絵具で、油による独特の艶と透明感、筆跡(タッチ)や盛り上げなどの可塑性、緩やかな固化速度などが特徴です。 顔料と油を練り合わせた色材(油絵具)を用いた技法を確立したのは、15世紀ごろのフランドル地方の画家達(特にファン・エイク兄弟)といわれていますが、顔料などで描画した上からニスのように油性成分を用いたというのは、紀元前より行われていたようです。 他の絵の具と比べて油分を多く含むため、ツヤがあるのが特徴。絵の具を盛るように塗ったり、削ったり、筆跡をつけたりと表現の自由度が高いところが魅力です。 油絵の具に用いられる顔料は、大きく分けると「無機顔料」と「有機顔料」の2種類に分けられます。無機顔料とは鉱物や金属などの無機物を用いたもので、重ね塗りをしても下地の影響を受けにくいのが特徴です。一方、有機顔料は石油などを合成したもので、発色性や透明性に優れています。 また、水彩絵の具やアクリル絵の具と比べて、固まる速度が遅いのも特徴のひとつ。作品を仕上げるまでに時間がかかってしまいますが、油絵の具ならではの重厚感のある絵を描くことができます。上級者はもちろん、これから絵画の勉強をしたいと考えている初心者の方にもおすすめの画材です。 |