2003年01月26日

◆今日の一品◆
H製 火鉢(茶色)
今日も既存のアイテムからのご紹介です。
すっかり私たちの生活から姿を消してきた火鉢ですが、その歴史は古く、奈良時代には置炉の一種である火鉢が登場しています。江戸時代から戦前頃にかけて、火鉢はインテリアの置物として、魅力的な形を備えたものが数多く作られました。材質も多様化し大きくは、けやき・桜などの木によって作られた箱火鉢や長火鉢、くりぬき火鉢・唐金(からかね)と呼ばれる黄銅製の金火鉢、そして焼き物の瀬戸火鉢の3つに分けられます。調度品として価値のある物は、現在でも根強い人気を持っています。そういえば、時代劇でおなじみの銭形平次親分の愛用は、年季の入った長火鉢でしたね。
火鉢の必需品には、火箸、五徳、鉄瓶などがあります。お餅を焼く場合は金網も必要ですね。それに、煙草好きの方には煙草盆も。火鉢の魅力は暖を取るだけではなく、何と言っても部屋を引き立て、そこでお茶を飲んだり食べ物を暖めたり、と言った副次的な要素が大きいようです。囲炉裏の火に比べ火鉢が優っている点は、煙の出ない炭火を使用するところ。きれいな座敷や店先でもこれならノープロブレム。おまけに炭火には遠赤外線効果があるので、小さな火でも意外に体の芯まで温まります。