2月22日(木)   つ、ついに!!

晴れ(19.3/9.4)

夕べの9時過ぎ、私はいつものようにICQをしていた。エッ、これって陣痛だよな? 痛みに時間の波が有る。時計を見ながらそれでもネットをしてた。ん? 10分間隔じゃん。まずいかも・・・。さらに30分経つと7分間隔に。急いで病院に電話して、行くことにした。病院につくまでのタクシーの中でも陣痛の波が私を襲う。

陣痛が来てないときは普通に話せるのに、ひとたび陣痛がくるとうめいてしまう。個人タクシーのおじちゃんは悠長に運転してるし、挙句の果てに大塚病院の場所がわからないときたもんだ。陣痛の間に道案内する私。夜間救急入り口に車をつけてくれればいいものを、正面玄関で下ろされて、よろよろしながら歩いていった。電話で連絡したのに、待合室で待たされた。こういう時って、とても長く感じるのよね。顔見知りの助産婦さんが迎えにきてくれて、いざ陣痛室へ。

ベッドが3つ置いてあるけど、今夜は私ひとりしかいないらしい。出産用のピンクのネグリジェみたいなのを渡されて、お着替えした。モニターをつけて様子をみることになった。「はやくて明け方ね。」と、助産婦さんはにっこりして去っていった。えぇ〜、この痛みが明け方まで続くの?

しかしながら、1時間もしないうちに分娩室へ行くことになった。思いっきりいい陣痛がきてて、ここに来てから1時間半で子宮口が全開になったからね。これまた陣痛の波の合間に歩いて分娩室へ移動。途中で陣痛が来ちゃって、1回、陣痛室へ戻ったりもした。

初めてみる分娩室。手術室っぽくて、なんか怖い雰囲気じゃん。
下はスッポンポンの状態で足を台に乗せる。有無を言わさず剃毛。そして恐怖のカテーテル。なにが「ちょっとチクッとしますよ。」だ。ウソばっかり!! こういうのを激痛って言うのよ。(泣) それから助産婦さんと一緒に「いきみ」の練習。陣痛が来てないときは上手にできるんだけど、陣痛がきてるとそれどころじゃなくなっちゃう。でも上手にしないと赤ちゃんに酸素が行かなくなると言われて、がんばる。私の口元には酸素マスク。これにちょっとしたあこがれがあったけど、今は感激してる余裕なんてないわ。

そして陣痛はどんどん激しくなってくる。「さっきのいきみ、3回ずつしますよ。」と、助産婦さんに言われてやるんだけど、3週間の入院ですっかり体力と筋力が落ちた私、その3回ってのが続かないの。思わず赤ちゃんに「頼む! 1回陣痛お休みして、ママを少し休ませて!」って、頼みたい気分だった。「いきみ」が疲れてしまってできないの。(後から知ったけど、分娩台の足を固定する台、壊れて力が入らない角度になってた・・・。) ともかく2回ずつでもいきんで、がんばること30分。助産婦さんが先生を呼んできて、いよいよという空気が分娩室に流れた。

先生は登場すると私に麻酔の小さい注射を何箇所かチクチクうった。これもけっこう痛かった。麻酔の麻酔がほしい感じ。それから10分。麻酔が効いてるかどうかなんて私にはわからないけど、先生がハサミを持って、助産婦さんが取り上げの態勢をとっているのを私は察した。次の陣痛がきたら、この子が生まれるんだわと思った。ハサミで切られたのなんて気がつかなかった。

助産婦さんに「頭が出ましたよ。はい、もう1度いきんで。」「肩が出ましたよ。もう少しよ。」と言われたときは、ほっとした。それと同時に赤ちゃんが出る瞬間って、気持ちいいと思った。すぐに赤ちゃんをおなかに乗せてくれてご対面! 本当に私のおなかにこの子が入っていたのね。すごい感動!! こんにちわ。女の子だったのね! 次の瞬間、思わず指の数を確認しちゃった。大丈夫、ちゃんと5本ずつあるわ。

って、これもつかの間。淡々と処理に入ります・・・。赤ちゃんは産湯につれて行かれて、私は胎盤を引きずり出された。これがなんとも言えない感覚なのよね。ホラーっぽい感じ。内臓をひきずり出されるって、こんな感じなのかな?と思ってしまった。続いては切ったところを縫ってもらう作業。

これが! これがめちゃくちゃ痛かった。3針って聞いてたけど、作業が永遠と続くように感じた。本当に3針? あんまり痛いから、気を紛らわそうと左腕をかんでいたら、次の日、すごい内出血になってた・・・。さらに、これから8時間はトイレに行けないからと、カテーテルのアンコール。あぁ〜ん、出産って痛いことのオンパレードだわ。(泣)その作業が終わる頃、赤ちゃんもきれいになって私の元に帰ってきた。赤ちゃんの足首には私の名前と番号がついていて、私には同じ番号のついた指輪が渡された。分娩台で横たわってる私の腕に赤ちゃん。なんともぎこちなく腕に抱く。自分の子なのに恐る恐るって、感じになっちゃう。ダンナも分娩室に入ってきて、ビデオやらデジカメで撮影開始。はっきり言って、美しくないママだと思うよ。頭はぐちゃぐちゃだし、疲れ果ててるんだからね、私。2時間休んで、持参した和式のユカタに着替えて、車椅子で病室へ移動。ここでダンナとお義母さんとはさよなら。

時間は明け方の4時過ぎ。今日一日はゆっくり休むように助産婦さんに言われたけど、興奮状態で、とても眠れそうにない。
あぁ、私ってば本当にママになったんだぁ! ベッドに横になって、じんわり感じる。陣痛がきた時からを振りかえってみたりして、結局お昼過ぎまで起きていた。

そう言えば、病院に来てすぐに、陣痛が苦しくて晩御飯を戻してしまったから、胃の中はからっぽ。待ちに待った朝ご飯!・・・のはずだったんだけど。ついてない。なんで今朝に限って納豆なのよぉ。もう信じられない。いいもん、いいもん。ちゃんとふりかけを持ってきてるもの。前に入院していたときは多くて残していた丼飯をぺろっと食べてしまった。9ヶ月ぶりのうつぶせなんてもやってみたりして。

しかし、私ったらよっぽど絶叫したのね。声がかれてるぅ〜。お昼過ぎから夕方まで、ぐっすり寝て、起きてびっくり! この腕の筋肉痛は何? 足がふんばれなかったから、腕の力だけで産んだのよね。腕と言わず、全身の筋肉痛だわ。すぐに筋肉痛になるのは若い証拠。って、言ってられないわよ。ものすごい筋肉痛なんだからさぁ。おまけにオマタは痛いしぃ。円座(別名ドーナツ座布団)を貸してくれるんだけど、ほとんど意味がないわよ。立ってる方が楽なんだから。出産の時に「ち」に点々をさらに悪化させてしまったしね。あはは・・・私、文句ばっかり言ってる。

今日は産んだ日なので、赤ちゃんは病院で看てくれる日。2時過ぎに産んだ私はまるまる1日、病院が面倒をみてくれることになる。これが夜の10時ごろの出産だと、初日から赤ちゃんのお世話をすることになっちゃう。やっぱり1日は休みたいよね。って言うか、休まないと死にます。

新生児室で寝ている我が娘。1等賞にかわいく見える。みんな見て、見て! うちの子、できたてのホヤホヤよ。指輪を見せて、自分の病室に連れてきて、しばらく一緒にいた。う〜ん、ビリケンにそっくり。けど、やっぱかわいい。むふふ・・・。

私の出産は、まだ入院しているお友達の耳に次々に入り、みんなが見に来てくれた。
それがね、一緒に入院していた時のお友達が、昨日二人出産したばかりで、話が盛り上がった。入院生活が長かったから看護婦さんや助産婦さんとも顔見知りだしね。みんなにおめでとうって、言ってもらったわ。

◆写真◆
左上)これがモニター。
右上)新生児室でネンネしてるベイビー。ん〜、よく見えないな。
左下)ぐっすり眠ってます。