ブラッスリー ポール・ボキューズ

「ブラッスリー ポール・ボキューズ」は、大丸東京店の12階にあるカジュアルなフレンチレストランです。お茶だけでも入れます。

私の中で、ポール・ボキューズのレストランは特別です。ちょうどバブル全盛の頃、(私自身はちっともバブルな人ではなかったけれど、私の周りはバブルな人だらけだったあの時代。) 生まれはじめて食べさせてもらった本当のフランス料理がポール・ボキューズのレストランでした。

そのレストラン「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」があったのは、六本木アークヒルズの2階、サントリーホールの正面。超高級店でした。

前菜のアミューズからステキで、スープに感動し、フォアグラって、こんなにおいしいんだ!とうっとりしながら料理を口に運んでいたのを覚えています。お料理も最高でしたが、給仕の方のそれはそれはスマートな対応。しぐさが美しいなぁと思ってみていました。それからはひと月に1回。多い時は2、3回通い、私の中でフランス料理はこういうもの!というのが確立されました。

おなかが満足しているのに、最後に出てくるデザートワゴンが楽しみで、たまに「コースを逆から出してくれないかしら?」なんて思ったこともあります。

3台ものデザートワゴン。ケーキやパイ、ジェラートやアイスクリーム。フレッシュフルーツにコンポート。まるで天国です。その中でも絶対に外せないのは、「ムッシュポール・ボキューズのクレーム・ブリュレ」。これだけは必ず食べて帰りました。

その後、「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」が閉店してしまい、すっかり本格フレンチ料理とも縁遠い生活になってしまいましたが、「ムッシュポール・ボキューズのクレーム・ブリュレ」の味を忘れたことはありませんでした。

いろいろなクレーム・ブリュレを食べてみましたが、ちょっと違うんです。頭と舌に「ムッシュポール・ボキューズのクレーム・ブリュレ」が刷り込まれているんですから。あぁ、もう「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」のお料理は食べられないのね…とさみしく思っていました。

ブラッスリー ポール・ボキューズのランチそんな私への朗報は、2007年1月に六本木・国立新美術館にオープンした「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」を皮きりに、6月には代官山の「メゾン ポール・ボキューズ」が開店。9月にはマロニエゲート、7月にはここ大丸東京店にオープンした「ブラッスリー ポール・ボキューズ」でした。「ひらまつ」がボキューズ氏のブランドを使用することを許された世界で唯一のレストランブランドとして展開しています。

そんなわけで今日も3,500円(前菜なしの2,000円セットもあります。)というお値段でポール・ボキューズのランチを「ムッシュポール・ボキューズのクレーム・ブリュレ」付きで食べられる私がいます。

ちなみにディナーは魚料理か肉料理のどちらかを選べる3,500円のコースと、フルコースの5,000円があります。